沖田洸役 峯田大夢さん
オファーが来た時の印象はいかがでしたか?
僕は以前、舞台に出演の際にそのえさんに写真を撮って頂いたことがあり、その時から、いつかそのえさんの作品に出演したいなと思っていました。
そのご縁もあってか、今回、この「新宿羅生門」でオーディションのお話を頂き、まさか主人公を演じられるとは思っていなかったので、すごく嬉しい気持ちでいっぱいでした。
あの時から時間が経ちましたが、僕自身の成長もあって、今こうして出演できることになったんだなと思います。当時の僕のままだったら、この役と巡り合うこともなかったかもしれません。
そしてこんなに長い収録は初めてで、貴重な経験をさせていただきました。
本当にお疲れ様でした。
このキャラクターへの第一印象はいかがでしたか?
髪が赤いくて、絆創膏があって……チャームポイント、そこなんだ! と思いました。だから収録には、絆創膏をつけていかなきゃいけない気がして……迷いました(笑)
僕の中で、セリフの多いキャラクターを演じる時には、実際に同じような体験をするのが大事だという感覚があるんです。 例えば、絵を描くキャラであれば自分も描くし、ボクシングやるならボクシングを自分も習ってみたり。
そうすることで、ものの見方も変わるし、絆創膏があるなら絆創膏を貼ったりすると実感も持てる。
本作の舞台は新宿という街ですが、今回は舞台になっている場所を実際に歩いたりしてみました。
その甲斐もあって、だいぶ見方も変わったと思います。
歌舞伎町界隈は雰囲気のある裏路地も多いですし、すっと裏路地に入れてしまいますよね。だから、舞台になっている場所はどの路地なのかな?と考えながら近くを歩いてました。
薄暗いとちょっと怖いですが、そういう経験をした後に収録に臨むと、イメージも固まりますし、実感しやすくなります。
実際演じてみていかがでしたか? 考えていた演技の方向性との違いはありましたか?
演技の方向性は僕も本当に考えました。洸自身が素直ですし、どんどん成長していくキャラクターなので。
ただ、それぞれのルートで成長の仕方も違うので、常に戻ってこられるように、心の中にフラットというか、ゼロの洸を置いておくようにしていました。
実際に洸を演じてみると、ルートごとに洸の印象や人物像が違っていく。各ルートで、ひとつたりとも同じ洸を演じたことはなかったと思います。スタートは同じでも、成長や成長の過程が違いますし、似ているようで必ず少しずつ違うんです。
それに物語が進むにつれて、関わる相手との距離感や、相手の考えも変わっていく。そういった意味でも、洸の人となりが徐々に変化するように演じました。
ゲームとしてそれぞれの掛け合いがどうなっているのか、本当に楽しみです。
演じるときにこだわった点
あえて余白を作って、想像力をかきたてるキャラクターもいると思うんですが、洸は主人公なので、瞬間瞬間ですぐ反応します。周りに影響されて、周りに影響を与えていく、そのライブ感。新鮮さや、影響されていく様を意識しました。
以前、舞台の仕事の時にも感じたことですが、台本を読みすぎると、初見の勢いが落ちることがあるんです。キャラクターを置きに行っちゃうというか、落としどころをキメすぎてしまう。
自分としてはそれは違うと感じているので、洸を演じる際には、新鮮さを大事にしました。
ご自身の演じたキャラクターの魅力を教えてください。
まっすぐで、王道の主人公ですよね。
本当に、色んな顔を見せてくれたと思います。全編を通して、豊かな表情を見せるキャラクターでした。
僕も演じるうちに洸のイメージをうまく拡げることができて。それも現場でうまくニュアンスを汲み取っていただいたおかげだと思います。
今回はゲーム作品ということで、演技に合わせて表情が足されたり、調整するとお聞きして、本当に表現の幅が広いと思いました。そういう課程を経て、洸というキャラクターも、僕自身の表現も、豊かになっていくのはありがたいです。
新宿羅生門の魅力を教えてください。
本当に個性豊かなキャラクターたちが織りなす物語ですし、一筋縄では行かない展開が盛り込まれています。
僕も読んでいて、そうなるんだ!?と感じていましたし、意外性に満ちた物語だと思います。特に終盤にかけては、驚かされる展開が多くて、まさか!?と、ずっと衝撃を感じていました。
まさに王道の良さもありつつ、その王道から逸れて派生していく意外性や、プラスアルファの要素がとても面白いと思います。
これは実際に全てプレイして、体験してみて頂きたいと思います。
ゲームとして解放条件が難しいシナリオも多そうですし、やりこみ要素も多い作品だと感じました。僕も今回、洸を演じきりましたので、是非全てのセリフを聞いてくださると嬉しいです!
好きなシーン、印象に残ったシーンを教えてください。
後半の展開なので、あまり言うとネタバレになりますが……あれが乗り移ったシーンです。ちょっと衝撃が大きすぎるので、プレイして確認してみてください。
好きなシーンは、洸が立ち上がったり、成長するところでしょうか。
ある種のトラウマを抱えていた弱い人間が、徐々に周囲の人達から支えられて、影響されて成長していく……洸は吸収して成長していける人物なのだと思います。
一度はめげそうになっても、立ち上がって、その瞬間から前向きになっていく。
素直にいろんなことを吸収できて、熱い、いいやつだと思います。天真爛漫で勇気もあって。
もちろん、周りの協力や影響もあるでしょうし、力を得たからこそ勇気を持てるのだと思います。支えてくれる周囲の環境は、とても大切ですよね。
前世の記憶、血筋、親譲りの性格を感じることはありますか?
僕の家系は全員二重まぶたなんですが、僕も二重なので血筋なんだと思います。
僕は見た目でハーフに間違われることもあるんですが、外国の血は入ってないはずなんです。でも、もしかしたら遡っていくと、先祖のどこかしらで、そういう血が入っている可能性があるかもしれませんね。
あと、僕は何にでも興味がわくタイプなんです。一度興味を持つと何にでも挑戦したくなるので、もしかしたら前世はよろず屋だったのかもしれません。
最後に一言お願いします。
「新宿羅生門」は幕末の江戸の出来事をベースにした物語で、そこから現代と幕末がつながるストーリーになっています。
この作品をきっかけに、歴史に興味を持ってもらえると嬉しいですし、歴史からこの作品を知る方もいるかもしれません。
歴史を紐解いていく楽しさもあります。歴史には様々な解釈や諸説がありますが、この作品をベースに実際の歴史を捉えるのも面白いと思います。
皆さんがどの組織に属するかで、世界の見え方も全く変わると思います。
全てのルートを隅々までプレイすると自分だけの推しや、好きなストーリーも見つかるはずです。
熱い作品なので是非一度はプレイしていただきたいです。
フルボイスなので是非、目と耳で楽しんでもらえたら嬉しいです。是非隅々まで遊び尽くしてください!
中沢颯役 霜月紫さん
オファーが来た時の印象はいかがでしたか?
自分的には、どの役にも挑戦してみたいなと思っていました。
今回、颯を演じることができて、とても嬉しかったです。
ゲームの収録前に、先に舞台を拝見したのですが、舞台で魅力的に見えたのは岡田零で、桂紫苑も面白そうだなと感じました。
このキャラクターへの第一印象はいかがでしたか?
綺麗ですよね。長髪で美人で、ビジュアルが良くて。
今回の収録の前に拝見していた舞台で、瀬戸くんの演じた颯はとても素敵でしたし、自分の中ではその時の印象が強く残っています。
ご自身の演じたキャラクターの魅力を教えてください。
颯は前世、女性として生きていたという点でしょうか。そういった描かれ方をしているのは颯だけですし。
颯は現代では男性なのですが、前世の女性としての記憶を持っているという要素は刺激的ではないでしょうか。特に颯の前世、中沢琴は男社会の中で生きてきた女剣士。
幕末の時代、琴という女性が生きる上で抱えていたものを、颯は現代の男性として理解している。女性が生きる上で抱える葛藤や、男性社会の中で生きていく歯がゆさ、反骨心も持ちあわせていたはずです。
そういった内面がにじみ出る部分であったり、普段の冷徹さと感情が漏れ出す時の脆さのギャップも、颯の魅力なのだと思います。
新宿羅生門の魅力を教えてください。
前世と現世の物語が、同時に楽しめるところでしょうか。その間の時の流れを感じるところも魅力だと思います。でも何より、絵が素敵で格好良いですよね。
好きなシーン、印象に残ったシーンを教えてください。
颯が肉親の情を感じるところです。
新徴編の途中である人物が登場しますが、そこから颯の中で、職務への責任感と肉親への情がぶつかっていく。情緒が乱れだすと、本当は冷徹なはずの颯が悩んだり、戸惑ったりする場面が増えていく……
そういう葛藤や苦悩のシーンはとても印象に残りましたし、自分の好きなシーンです。
あなたの役から見て、沖田洸はどんな人物でしたか?
洸と颯は、前世と現世では立場も逆転しているし、身長も逆だし、林太郎は年上だから年齢も逆になっている。そういった何もかもが逆転した状況で再会したからこそ、余計に愛おしいんでしょうね。まるで、息子を見て居るようで。
洸の成長を側で見守ることで、感じる親心もあるのだと思います。
前世で女性「中沢琴」として生きていた頃は、明らかに好意を持っていたように自分には感じました。ですが、普通に生きていれば、そういう相手の少年期を後から遡って見ることは絶対に不可能ですよね。改めて成長の過程をみつめなおしたことで、より愛おしい、特別な存在に感じたのではないでしょうか。
前世の記憶、血筋、親譲りの性格を感じることはありますか?
最近、父方の祖父の家系は全盲で、目が見えなかったのだと聞きました。
話を聞いた後、ふと僕の幼少期の写真を見ると、表情が眩しそうに見えることに気付きました。何故か、いつも目を細めていて。
それを見ると、僕がまだ、この世界を見ることに慣れていないように感じることがあります。 もしかしたらこの世はまだ僕にとって、遺伝子レベルではまぶしすぎるのかもしれません。
最後に一言お願いします。
このコメントを読んでくださっているということは、もう「新宿羅生門」にご縁があるのだと思います。キャラクターもビジュアルもとても素敵ですよね。
颯も綺麗な長髪で、立ち姿もとても格好良いですし、前世の琴の姿もゲームに登場するはずなので、是非、発売を楽しみにしていてください。よろしくお願いします!
勝覚悟役_柳田淳一さん
オファーが来た時の印象はいかがでしたか?
以前、花梨エンターテイメントさんとは他の作品でお仕事をご一緒させていただいたことがあるのですが、その時の収録がとても楽しくて。
今回、花梨さんが「新宿羅生門」という作品を制作されるとお聞きして、一緒にまた作品が作れることが、純粋に嬉しかったことを覚えております。
このキャラクターへの第一印象はいかがでしたか?
作品内で覚悟の他に気になったのは西郷ですね。ド派手で、ヤクザで……演じるのは大変そうだけどやり甲斐がありそうだなと。
対して覚悟は一番、遊びがあって、メリハリを楽しめるキャラだなと感じました。
ただ同時に、自由すぎても成立しないだろうし、その辺りのバランスを取るのが難しそうだとも感じました。型を崩して覚悟を作りこむには、演技の幅が必要になるだろうなと。
実際演じてみていかがでしたか? 考えていた演技の方向性との違いはありましたか?
あまり崩さず、ひたすらかっこよく演じていくイケメンキャラと違って、覚悟みたいなキャラクターは、型をいかに崩して面白くするかが肝心だと思います。
覚悟を演じるとなると、その辺の匙加減が楽しそうでもあり、難しそうでもあるという印象でした。
ただ今回、そういったバランス調整をしっかり、収録でやって頂けたので良かったです。
大きな方向性は一緒でも、シリアスとギャグのバランスや、かっこよく決めるところとコミカルな演技のバランスは、最初の収録で打ち合わせして、細かく決めていけたと思います。
演じるときにこだわった点
江戸っ子の勢いとテンションです。今回は現場で感じたテンションや勢いをセリフに乗せられたので、楽しみながら、こだわって表現できたと思います。
といっても、僕自身は福岡出身なので、江戸っ子ではないんです。
ですが、これまで見てきたアニメやドラマの江戸っ子の印象を元に、僕なりの江戸弁を組み立てながらやってみました。覚悟ならではのキップのいい感じを感じてもらえたら嬉しいです。
ご自身の演じたキャラクターの魅力を教えてください。
この人は本当にダメな大人なんですけど、なんだかんだ周りから愛されていて、すごく魅力的だと思います。
あと、こういう派手なビジュアルのキャラクターだから、周囲を振り回す方かなと思いきや、案外、振り回されるところでしょうか。意外にも覚悟はツッコミ役に回ることが多いというか。「新宿羅生門」には我が強くて空気を読まず、己の道を行くキャラが多い。
そんな中で、覚悟には案外、冷静に状況が見えている。一見ノリは軽いのですが、人間関係においてはすごくバランスを取っているんだと思います。いざとなると空気も読むし、そこがいい味を出してますよね。
それでもやっぱり、彼自身はギャンブルもするし借金もある、ダメな大人。そのギャップが面白いなと思います。
新宿羅生門の魅力を教えてください。
現代の街で、美麗なキャラクターたちがスーツを着て日本刀を携えて、仲間のために命をかける。 そこに前世での出来事が影響して、現世で事件が起きていく。
やがて前世と同じ運命を辿ることもあれば、逆に全く違う方に向かうこともある……前世があるからこそ、知っているからこそ、運命が変わっていく。その面白さが、この作品の魅力だと思います。
好きなシーン、印象に残ったシーンを教えてください。
たくさんありますが 一つだけあげるなら、覚悟と颯のとあるシーンです。ここは丁寧に演じさせてもらったというシーンがあって……是非、どのシーンか、当ててもらえたら嬉しいです。
あなたの役から見て、沖田洸はどんな人物でしたか?
気になるし、放っておけない、そして気づけば頼りになる後輩。温かくて信頼できる友人、みたいな関係だと思います。
覚悟にとっては、洸は人生の後輩。 最初は頼りなく感じたと思います。洸がいじめられたり、戦う力もない弱い頃から、覚悟はよく知っていて、近くで見ていましたから。
その洸が、いつのまにか周りを巻き込んでその中心にいて、みんなが洸を頼りにするようになると、覚悟もすっかり振り回されていく……そんな関係の変化を、心地良く受け止めていたのではないでしょうか。
それに前世の林太郎も、覚悟より年下でしたから、一応モノを教えたり可愛がったりしていたんでしょうね。覚悟から見ると、現世の前世も同じ、身近な年下の相手。その記憶は、今もしっかり残っているのだと思います。
前世の記憶、血筋、親譲りの性格を感じることはありますか?
「新宿羅生門」はまさに剣術をテーマにした作品ですが、僕は小学校の頃、高校生まで剣道をやってたんです。小学校の頃、先生から「この子は剣道をやるために生まれてきた子です」と、親が言われたらしくて。
僕の家は、武士の家系だったと聞きました。僕も高校まではずっと剣道部でした。
福岡には玉竜旗という大きな剣道大会があって、剣道部も日本一を争う強豪校で、うちの先輩の代はとても強かったそうです。
だけど高校に入ったらもう剣道はやめようと思っていたんです。別のスポーツをやろうかなと思っていて。ですが高校の入学式の日、校門のところで、全身防具を着た先輩が立っていて。同じ区の僕の先輩だったらしくて「ちょっと来てくれたまえ」と僕に声をかけて、先輩に捕まって。
結局、剣道は高校三年で三段取って、そこでやめました。その先は芝居の道に進んで、今こうして役者をやっています。なので、そのまま剣道をやっていたら、今ここでお芝居をしていなかったかもしれません。
でもあの時、苦しいきつい練習に耐えられた経験が、自分の支えになっているのだと思います。
最後に一言お願いします。
時代ものの要素もありつつ、現代の新宿の物語でもあって…… 独自の世界観や、魅力がぎっしり詰まった作品です。
少しでも興味を持って頂けたら、是非、実際にプレイして欲しいと思います。
個性的なキャラクターとストーリーを楽しみながら、ここだけの推しに出会えると思います。 「新宿羅生門」を是非、よろしくお願いします。覚悟のことも好きになってくれたら嬉しいです!
土方玲雄役_沖野晃司さん
オファーが来た時の印象はいかがでしたか?
幕末をモチーフにした現代の作品ということで、本当によく考えて作り込んだ独特な世界観と設定に驚かされました。
僕は役者なので、シナリオの妙というか、設定を特に注意して見るんですけど、幕末が大好きですし、今まで幕末の志士も演じてきたので、正統派の時代モノなら、大体わかります。
でも、「新宿羅生門」は幕末の趣旨を現代に蘇らせて、現代でもまた前世を思い出しながら、どんどん人間模様を盛り上げていく。初めてこの展開を見た時は、とても驚かされました。
その世界に自分が出演できることになったのは純粋に嬉しかったですね。
このキャラクターへの第一印象はいかがでしたか?
幕末は大元のモデルになった人物の個性が強い時代ですよね。
だから、油断するとモデルとなった人物を越えられない。
でもこの作品は皆、一人歩きしそうな強いキャラクターが揃っていて、その関係性も非常に面白かったです。土方は本当に……土方でしたね。
土方歳三は歴史上のイメージが強いというか、印象深い人物だと思うんですが、もし現代にいたら、まさにこういう感じなんだろうなと思いました。でも、一番憧れる存在であることは変わりなくて。土方歳三を嫌いな人はいないと思います。僕もそうです。本当に存在感の強い人物ですよね。
実際演じてみていかがでしたか? 考えていた演技の方向性との違いはありましたか?
とにかく一本調子にならないように気をつけました。
自分の本心を隠す人物を演じると、どうしてもセリフの雰囲気が全部同じで、単調になってしまう。そうなると役としても面白みがなくなりますし、そこは注意して演じました。
演出面では、収録の時に声を出していいポイントを教えてもらえたので、あえて崩しつつ楽しんだりもしました。土方も、時には泣きそうになったりしますしね。
他にも、洸を他所には行かせないぞっていう気持ちとか、蒼空を護ってやらないとという気持ちだとか、場面によっては感情を色濃く出したりしました。
演じていくうちに、自分の中でも玲雄への印象が結構変わりました。玲雄は、ああ見えて割と素直なんだと思ったし、気持ちを尊重する芝居ができたと思います。収録は発見も多くて、本当に楽しかったですね。
演じるときにこだわった点
普通ならアップテンポで芝居するところを、玲雄はローテンポで芝居しなきゃいけない。それが最初、思いのほか難しくて。
でも、他のキャラクターを見ているうちに、この土方ならローテンポのままでも、いろんな表現ができるだろうと思えたので、ちょっとこだわってやらせていただきました。
例えば「くそったれ」みたいな口癖にはバリエーションをつけて。
あとは全編にわたる「おい」。何をやるにも誰に言うにも「おい」。「おいおい」言ってますもんね(笑)
好きな人に「おい」って言うのは難しいと思うんですが、玲雄は「おい」で愛情表現するようなキャラクター。決して口数の少ない男ではないんです。でもこの単語のチョイスこそが性格を表わしていますね。
「くそ、誰が……」「馬鹿野郎」みたいなセリフも多いので、玲雄の個性としてこだわりましたし、腕の見せ所だなと。リアクションも気になるので、是非、他のキャストさんとセッションしたいなと思いました。
ご自身の演じたキャラクターの魅力を教えてください。
一見、怖くて堅そうですけど……案外素直で正直なところ(笑)
本当に読めば読むほど素直でまっすぐで、人思いで友達思いのいい人ですよね。それがたまに怖いけど、やっぱりいい味を出してて。
収録は本当に楽しかったです。そこは是非プレイして確かめてください。
新宿羅生門の魅力を教えてください。
歴史に準じていて、でも歴史を全く知らなくても楽しめる作品。
厚みもあるけれど、誰にでも入りやすくて、多くの人に楽しめる物語だと思います。
この「新宿羅生門」を先にやって、元々の歴史を後で知ることもあると思います。
今回、僕は土方玲雄として、前世の「土方歳三」としてこの物語を読ませて頂きましたが、この作品で史実を思い出したり、再会が懐かしくなることもありました。
僕は勉強としての歴史は嫌いでしたが、歴史に興味を持ってから、日本史をもう一度学びなおしました。そういう勉強が一番身になるし、世の中の見方も変わりますよね。
幕末は幕府側と維新側、どうしても勝った方がいい者になるし、負けた方は悪者になる。この描写を、誰が最初に描いたのかはわかりませんが、 僕らの世代は新撰組をヒーローとして捉えていて、カッコイイから入ったので……僕は新撰組に興味を持ちすぎて五稜郭まで行きました。 鬼の副長ってかっこよすぎるじゃないですか。
本人に会ったら、間違いなく怖いと思うんですけど。
でも、そんな行動力を生み出すだけの力をあの幕末の志士たちは持っているのだと思います。
皆さんにもこの「新宿羅生門」を通して、歴史の新しい楽しみを味わって頂けたら嬉しいです。
好きなシーン、印象に残ったシーンを教えてください。
沖田兄弟とのシーンは好きですし、近藤が絡んでくるシーンも好きだったんですけど。
僕はやはり、この作品の中では朱鷺とのシーンはどれも、どのシーンも印象深いですし、好きだなと思いました。
確かに土方は朱鷺を憎んでいたと思うし、でも友としての特別な感情もあったのだと感じました。距離の表現はとても難しかったけど、好きなシーンですね。同じグループで、しかも実力を認めているというのが、土方らしいと思えました。
その魅力も腕も、存在感も認めていて、でも怒りや憎しみでは収められない感情があったんでしょうね……それはもう、演じていて大変楽しいシーンでした。
あなたの役から見て、沖田洸はどんな人物でしたか?
本当に僕から見てというか、土方から見てですけど、もう、ワンちゃんですよね。いつも尻尾振ってくる…そんなイメージです。
本来なら、上司としての土方って、すごく怖いじゃないですか。
それでも洸は憶せず食いついてくる。土方もどんどん懐柔されて、「お前は信じていない」から、「お前を信じているからな」に変わっていく。その課程で、いかに土方といえども、しっかり懐柔されていて……もう、本当に可愛い部下ですよね。
前世の記憶、血筋、親譲りの性格を感じることはありますか?
前世とかを考えたことはあまりないんですが、血筋というところでいうと、沖野家では、必ず剣道をやらなきゃいけないことになっていて。
兄もやっていたし、必然として僕もやってました。やめるとしても二段までは取ってからやめると決まっていたんです。
その後、僕は芸能界に入ったんですが、そこですぐ殺陣を始めました。
結局、小学校一年生から剣道を始めて、今もずっと刀を振っていることになっていて。
剣道家の人でもないと、こんなことってあんまりないですよね。そう思うと僕の前世はやっぱり刀を持っていたのかもしれません。
あと、僕は繋がりが深くなる人が多いんです。そういう縁の感覚なら、なんとなく分かります。僕は劇団に所属していたんですが、僕が15歳のときにその劇団の代表は16歳で、その時分からの知り合いで、今でも演劇を一緒に作っています。
そんな感じで一度接点を持つと、長い付き合いになることが多いんです。もしかして、前世でもバディだったんじゃないかと思ったり……そう考えると本当に、人間同士の不思議な縁はあるのかもしれないですね。僕が今、この役をやっているのも、何か縁があってのことだと思いますし、それは本当にありがたいですね。
最後に一言お願いします。
平凡な日常あり、ワクワクする展開ありで、最後には大変なスリリングな事件が起きていく……初めてこの物語を目の当たりすると、かなり圧倒されるはずです。
キャラクターも各々が濃く、ストーリーも充実していて、本当にプレイして後悔しない作品になっていると思います。
洸くんと同じ目線で旅をするもよし、いろんなキャラクターの選択や結末を追ったり、いろんな解釈で何度も何度も「擦れる」作品だと思います。
是非長く楽しんでいただけたらなと思います。よろしくお願いします。
沖田蒼空役_天﨑滉平さん
オファーが来た時の印象はいかがでしたか?
嬉しかったです!
新撰組も好きだったのでコンセプトもとても興味深くて、早く台本が読みたかったです。
オーディションのセリフの時点でワクワクしていました。
このキャラクターへの第一印象はいかがでしたか?
可愛い!! でも怪しい!! すごく惹きつけられるキャラクターだなぁと思いました。
気になって設定資料をすぐ読みました!
実際演じてみていかがでしたか? 考えていた演技の方向性との違いはありましたか?
ニュートラルな部分と昼の仕事をしている時と、夜の仕事をしている時で明確に雰囲気が変わるように意識しました。
特に夜の部分はドスを効かせる恐さよりも抜くお芝居で、ヤバさを出せたらなと思って演じました。
演じるときにこだわった点
感情や音の高低差をしっかり付ける。
あえて不安定な音を使って不気味さを出す。
とかです!!
ご自身の演じたキャラクターの魅力を教えてください。
コロコロといろいろな面を見せてくれるので、演じていて楽しいし、プレイヤーの皆様にも喜んでもらえると思います。
あと、可愛い!!
新宿羅生門の魅力を教えてください。
世界観だと思います。
聞いたことのない組み合わせでとても魅力的に感じました。
詳しくは公式をご覧くださいませー!!
好きなシーン、印象に残ったシーンを教えてください。
蒼空くんが歌うシーンがあるので楽しみにしていてください♪
あなたの役から見て、沖田洸はどんな人物でしたか?
弟としていろいろな感情を向けられる相手であり仲間であり家族であり敵であり?なかなか一言で表せられないです。
ぜひプレイしてください!!
前世の記憶、血筋、親譲りの性格を感じることはありますか?
ゴホン!と咳き込む声や笑う声が父親に似ているそうです。知らぬ間に似るものなんですね!
子供の頃はむず痒かったのですが、大人になった今は似ている部分があるのが嬉しいです。
最後に一言お願いします。
ぜひぜひプレイして下さい!!
きっとあなたの推しに出会えるはずです!!
坂本旭役_小林親弘さん
オファーが来た時の印象はいかがでしたか?
とてもスタイリッシュでかっこいい作品だなと。
元々、大学で歴史を学んでたこともあって、幕末はとても熱い時代で大好きでした。
中でも、特に龍馬には興味があったので、やっぱり嬉しかったですね!
このキャラクターへの第一印象はいかがでしたか?
日本人の中で、坂本龍馬の存在感は非常に大きいと感じます。
様々な作品で語りに語り継がれて、踏襲されている人物。
とても明るくて、出身である土佐藩にも囚われずに、広く活躍している。
実際に行動力もあって、薩長同盟を結ばせた立役者であったり、英雄的な要素も多い。
この作品における旭の振る舞いも、皆が知る龍馬そのものだと感じました。
実際演じてみていかがでしたか? 考えていた演技の方向性との違いはありましたか?
難しいですよね。独自の解釈も入れてみたいけど、自分の持ってる龍馬のイメージで旭という人物像を演じたとき、見ている皆さんには違和感が出るかもしれない……と、そういうことを危惧してしまうんです。 でも、そういう考えは、お客さんへの忖度にもなりかねない。
今回の旭の芝居には、持ち前の明るさや、飄々とした性格を出しつつ、どこか裏が読めない、油断できない感じを盛り込みました。
でも、やはり気のいいお兄ちゃんであることに変わりはなくて。そんなバランスを意識して、自分なりの旭を演じました。そこはするっとハマってくれたと思います。
演じるときにこだわった点
普段は気のいいお兄ちゃんですが、そのギャップで、戦う時には驚かせたくて!
ただこの飄々とした性格を表現するのに、どれくらいの熱量で戦えばいいのか、戦う時も余裕でいるのかとか、必死になるのかとかそいうことは常に考えました。
もともと龍馬に興味や知識もあって、その姿を知るが故にふと考えますよね。江戸の剣術大会で優勝したり、北辰一刀流の免許皆伝の腕前でありながら、実はあんまり戦いで刀を振ったことがないとか、そういう話も聞きます。
そういう人だったからこそ、どう戦ったらハマるのか。
いろいろ考えた結果、普段はあまり型にはめすぎず、どこにでもいるような気さくで、皆に気楽に触れ合ってもらえるような、そういう距離感を大事に演じました。
ご自身の演じたキャラクターの魅力を教えてください。
カリスマ的な人物でありながら、とても懐が広くて、誰にでも接しやすいところでしょうか。
地位がある人や、名をあげた人は、どこか接しにくかったり、威圧的になることがありますよね。でも旭には、そういう部分が一切ない。
さっきも言ったように、誰とでも距離を縮められるところが、最大の魅力なんじゃないかと思います。
幕末でいうと以蔵や、現代の零みたいな、ちょっとこじらせてる相手にも、自然にフランクに接する。そんなところは、自分も見習いたいですね。
新宿羅生門の魅力を教えてください。
現代モノなので、今を生きる自分からも距離感が近いですし、フラットに捉えられるところも魅力だと思います。
それに、やはりかっこいいですよね。
実際、幕末にあった事件を、現代にリンクさせていて。
さらにファンタジーの要素も盛り込まれていて、新宿や歌舞伎町、都庁など知っている場所も登場する。「もしかしたら本当にありそうな物語」としての魅力、ファンタジーとしての大胆さ、時代モノとして斬り合いや、映える見せ場もある。
皆が剣術の達人なので、とにかく戦いも映えます。
是非それぞれ推しキャラを作って、楽しんでほしいです。
好きなシーン、印象に残ったシーンを教えてください。
好きなシーンは、やはり、あの人と対峙するところです。
シリアスなやりとりが続く場面で、胡散臭くて裏が見えにくいこの旭という男の、本心がポロッと零れたりする。
旭は普段、飄々として本心を見せないけれど、感傷的になるとむしろ本音が出るタイプの人。そういうところに逆に魅力を感じたし、そういう片鱗が見え隠れするのは、好きなシーンですね。
あなたの役から見て、沖田洸はどんな人物でしたか?
洸はもう、可愛い後輩ですよね。
旭から見ると、弟のようでもあるし、子供のようでもあるし、成長を見守るうちにだんだん頼もしくなっていって……もしプレイヤーが旭のいる戒援隊のルートを選んでくれるとしたら、家族のようになれる展開も見ることができると思います。
洸は違う環境にいてもつい気になってしまうような、そんな魅力のある存在ですね。
前世の記憶、血筋、親譲りの性格を感じることはありますか?
確か僕の家は、母方が土着の武士で、父親が農民だったと思います。
僕は愛知県出身なので、遡れば戦国時代に徳川や織田、羽柴とも縁があるかもしれないし、何かあったかもしれませんが……僕は完全に農民の血を継いでいると思います。
ちなみに一年だけ、剣道をやっていたことはあるんですよね。
でも負けが多くて辞めてしまいました。だからやはり、武士の血は薄そうです。
中学の時に市で借りられる畑で家庭菜園をしていて、家族で土をいじっているときに安らぎを感じたので……やはり自分は父方の農業の血が濃いんだと思います。
最後に一言お願いします。
何度か申し上げましたが、この作品はスタイリッシュかつ、日本刀を持った男たちが登場する、熱くかっこいい作品です。
プレイした後も、実際に新宿に行きたくなっちゃうような作品だと思います。
登場する地名も馴染み深く、展開も熱く、時に恐ろしくてハラハラドキドキするような展開が盛り込まれています。
一度始めると、一体この先どうなるんだろう?と、のめり込んでプレイしてしまうと思います。是非楽しんでください!
岡田零役_狩野翔さん
オファーが来た時の印象はいかがでしたか?
とても嬉しかったです。
幕末の人斬り、岡田以蔵の記憶を背負う、零を演じるのは貴重な機会なので。
零くんに限らず、この作品には特に一度は演じたい人物が多くて。最初にオーディションで洸を受けてみて、他にも僕が出来そうな役は全部挑戦してみました。
ただ、オーディションの時点で、自分には零がしっくりくると感じていました。 結局、零に決まったので、納得しました。
お話や設定にも興味が引かれて、新徴組のことも今回、初めて知りましたし、沖田総司ではなく、その兄が主人公という点もとても新鮮で面白いと感じました。
自分はプレッシャーを受けて勉強するタイプなので、役が決まってから収録が始まるまでの間はできる限り勉強の時間にあてました。今回は役への理解も深まった上で、収録に臨めたと思います。
このキャラクターへの第一印象はいかがでしたか?
零の第一印象としては「健康面が心配」でしょうか。キャラクターのイラストを見ても、健康そうには見えませんでしたし……
実際零を演じてみると、ご飯はよく食べるし、健康のことも気にかけてる人物で。
それでもやはり、怖そう、強そう、寝てなさそうという印象は変わりませんでした。それに、見えないところで何を背負っているんだろうと興味を抱きました。
岡田零という人物が、幼少時からどういう課程を経て今の零になったのか。
今回は収録後にも彼の内面の変化を考えていたと思います。
実際演じてみていかがでしたか? 考えていた演技の方向性との違いはありましたか?
収録時に自分の想定していたよりもさらに「内圧高めで」とディレクションを受けました。
零の少ない言葉の中に内包する感情は、自分が思った以上に大きかったのだと思います。
彼がどう考えてきて、今、何を見ているのかという部分にも、厚みをつけたいなと思っていたんですが、実際に演じてみるとさらに分厚くて。
でも、収録が始まると案外、そのえさんのディレクションのお陰か、現場ですぐにまとまったように感じます。
ただ、零は性格上、普段からそこまで抑揚をつけて喋らない。
零が昂ぶって感情をぶつけるのは、やはり信頼している相手や、距離感の近い相手だけなのだと思います。なので、今回は音の出し方よりも、セリフの意味を一語一語、重視して演じました。
演じるときにこだわった点
零くんを演じる時は、姿勢や状況にあわせた体の状態をイメージしました。
彼は猫背で重心も低いので、自分も同じ姿勢になってみたり。
靴を脱いで足を開いて、背もたれに手をかけて、マイクに正面から向き合わずに音を入れたりもやってみました。
あとは言葉で飾りすぎないようにを意識しつつ、できるだけ彼の背景や内面を押し出すことに集中していたのもあり、結果的に想定してたのと全然違う表現が出てきて面白かったです。
今回は、自分自身の挑戦もたくさん詰まっているので、今までと違う引き出しだったり、角度から零という人物に向き合いました。
ボイスを聞いて「ほんとだー!」ってなったらすごい!賞状あげます(笑)ほとんど分かりにくいこだわりだと思いますが、そういったことも実はやってたよーということをここに置いておきます(笑)
ご自身の演じたキャラクターの魅力を教えてください。
怖くてぶっきらぼうな零ですが、一度仲良くなると優しいし、ギャップが詰まっていると思います。 零は見た目や言葉づかいよりも、はるかに愛が深い人物。
誰より仲間思いで、家族思いなところが魅力ではないでしょうか。
身体的な強さ、かっこよさもありますが、やはり彼の内面的な愛情深さが、一番好きなところです。
新宿羅生門の魅力を教えてください。
幕末の歴史が扱われていて、勉強になるところだと思います。
ドラマや映画でも幕末を扱う作品は多いですが、ここでは新徴組視点。
戒援隊視点で見ても面白くて、現代ともリンクするお話と世界観の面白さ、この世界に没入できる魅力が溢れていると感じました。
登場キャラクターが信念を貫き、目的を成し遂げようと戦い、対立する。だけど日常パートでは一緒に和んでいて……その全てがきれいにまとまっている。
世界観、武器や組織のこだわりが細部まで宿っているので、イメージもすごくしやすいです。
まだ収録の段階ですが、台本だけでも伝わってきて。 面白くて、次はどうなるんだろうと気になるストーリー展開ですし、会話だけでも物語が高い解像度で理解できて、楽しめる。
それが「新宿羅生門」で零くんを演じきった今、僕が言える現時点での魅力です。
好きなシーン、印象に残ったシーンを教えてください。
洸と零くんの距離が、一気に近くなるシーンがあって。それをきっかけに絆が深まっていくんですけど、修羅を倒して弔うシーンや、洸と言葉の端々に「ああもう、こいつのこと信用したんだな」と感じられる、出会った時の関係性から大きく変わっていくのがわかるシーンで。
零は極端な性格もあって、触れるもの皆、傷つけるような男。
でもふとした瞬間に、素顔を垣間見せることがあって。
「ゆっくり休め」と祈るように語りかけるシーンが、零を最も表してるなと僕は思います。
あなたの役から見て、沖田洸はどんな人物でしたか?
洸は基本うるさいし、手のかかる奴なんだと思います。でも、いざという時すごく頼りになるんですよね。しっかりする時は本当にビシッとして、周囲を驚かせる。
洸は適当で頼りないところもあるけれど、気にかけたくなる魅力を持った人だなと思います。
人たらしの才能があるのかもしれませんね。洸がああいう人間だからこそ、いろんな人が集まってきて、主人公としての素質で事態を動かしていく。
零も洸を面白い奴だと認めていく。普通に一役者として台本を読んでいても、目が離せない存在なんだろうなと感じます。
前世の記憶、血筋、親譲りの性格を感じることはありますか?
父から聞いたのは、うちの家系は仲宗根豊見親という、沖縄の宮古島の豪族が祖先らしいです。
習わしとして長男の名前に代々、玄関の「玄」の文字を入れていたそうで、僕の名前はもしかしたら「玄翔(ゲンショウ)」だったかもしれないと聞きました。その名前も格好良いですよね。ちなみにその習わしは、僕のおじいちゃんが「めんどくせー」っつってやめました(笑)
もし今後、機会があれば王国を作るのもいいかもしれません(笑)
最後に一言お願いします。
今、僕が台本を読んでる時点でも、すごくイメージが膨らむ話だと思います。
既にこの時点でゲームをプレイしたような気持ちになれるほど楽しかったです。
ゲームでは厚みのあるストーリーと世界観の面白さにより、没入感がものすごいです。お手に取って頂いたら、いろんなキャラクターを深掘りしながら楽しんで頂きたいですし、これは僕的おすすめなのですが、歴史的な背景が気になったら、一旦ゲームを置いて、ちょっと調べてから再開すると、より深く、解像度を上げて楽しめるのではないかと思います。
「新宿羅生門」の世界に足を踏み入れると、日常の彩りもグッと増す、そんな作品だと思います。是非プレイしてみてください!
桂紫苑役_阿部敦さん
オファーが来た時の印象はいかがでしたか?
まずコンセプトがスーツと日本刀とお伺いして、どちらも好きな人が多いだろうなと思いました。しかも合わせ技で来たな、というのが最初の印象でした。
このキャラクターへの第一印象はいかがでしたか?
その中でも桂はピッチリ、かっちりとしたピンストライプのスーツを着こなしている。
細いメガネをかけていることも相まって、かなり神経質な印象を受けました。
実際演じてみていかがでしたか? 考えていた演技の方向性との違いはありましたか?
事前に考えていてた芝居の方向と、実際スタジオで演じた芝居の方向に、結構ギャップがありました……是非、実際に聞いて確かめて頂きたいです。
想定範囲内の部分もありますが、自分としてはそれ以上の驚きも感じました。
ですので、こちらからも感想を聞いてみたいです。
演じるときにこだわった点
桂は神経質で、潔癖な印象があります。
常に苛立っていて、現状に不満もある役どころですが、小物にはしたくなかったので、ピリピリしたまま話すのも少し違う気がして、どっしりと構え、泰然自若とした感じで演じさせていただきました。
しかも、桂は器も大きく、それでいて繊細で、細かいところは気にするタイプ。
それらを意識して演じると、総じてあのような感じになったのだと思います。
あとは桂がキレる時も、結構重い感じになるように心がけました。
こちらも高いトーンでキレると安くなってしまうとも考えて、全体としては重くキレる感じを大事にして演じました。
ご自身の演じたキャラクターの魅力を教えてください。
落ち着いてるのにキレやすい。そういう相反する面が混在しているところ。
それから、西郷との関係性も桂の魅力なのかなと思います。
「前世の仲間を、最後に自分が殺してしまった」という事実があり、それを飲み込んだ状態でなおかつ今、手元に部下として西郷を置いている……桂なりの考えがあってのことではありますが、自分の身近にあえて西郷を置くなんて、常人にはできないことだと思います。
そういう清濁併せもつ器の大きさも、桂の魅力ではないでしょうか。
新宿羅生門の魅力を教えてください。
新宿の実際の地名、モチーフにしている場所が登場し、それが現実味を増しているところです。新宿は僕も仕事で伺う街なので、体感として実際の景色が浮かんできます。
プレイした後に、そういった場所に聖地として赴いてみると、より一層魅力が増すのではないかと思います。
好きなシーン、印象に残ったシーンを教えてください。
洸に対して、ふと西郷との関係性を吐露するシーンがあります。
普段は素顔を見せない桂が、どんな思いで西郷を手元に置いているのか、その真意を吐露するシーン、そこが僕は結構好きです。あまり踏込むとネタバレもなるデリケートな部分なので、今はここまでにしておきます。
あなたの役から見て、沖田洸はどんな人物でしたか?
桂から見た洸は、若く未熟で至らない、でも可能性の塊として目が離せない相手なのでしょうね。 この先、あらゆる変化を起こす可能性を秘めていて、良くも悪くも不安定で膠着した事態を変え得る人物。
もし洸が薩長のルートに入っていなくても、桂にとっては監視すべき存在で、注目度は、常に高かったんでしょうね。
前世の記憶、血筋、親譲りの性格を感じることはありますか?
前世の記憶は全然ありません。
ただ、うちの家系は、スポーツの得意な家系なんです。
僕は部活も文化系で、運動も好きではないし、家族の中で比較的自分と妹だけは文化系の方向に進んでいて、少し変わっているのだと思います。
でも、運動神経はいいほうなので、そういった意味では、恩恵を受けているのかもしれません。
最後に一言お願いします。
この作品は歴史ものでもありつつ、同時に現代ものでもあります。
歴史の予備知識なしにプレイしてもきっと面白いですし、ご興味があれば歴史の好きな方にプレイしていただいたら、また一層、面白く感じられる作品だと思います。
是非、楽しみにしていてください。
西郷拓馬役_熊谷健太郎さん
オファーが来た時の印象はいかがでしたか?
シンプルにタイトルが「新宿羅生門」。
幕末に生きた人物たちが新宿で転生、記憶や能力が蘇るという話だと聞いて。
現代の新宿という街と、幕末が組み合わさったらどういう世界観になるんだろう、というのが第一印象です。
みんなスーツを着て刀を持って、純粋に格好良いけど、実はなかなかヘビーなお話なのでは? というのが一番最初にオファーを頂いた時の印象でした。
このキャラクターへの第一印象はいかがでしたか?
寡黙でとっつきづらくて、体格が良い分、行動で示すような人なのかなと思っていました。
西郷隆盛といえば九州男児ですし、鹿児島の男の強さの象徴でもありますよね。
実際に触れてみると、確かに男らしさ、男臭さはありつつも、意外と茶目っ気の通じる人なんだな、と感じました。
実際演じてみていかがでしたか? 考えていた演技の方向性との違いはありましたか?
自分はゲームのキャラクターを演じる時、自然とプレイヤー目線が入ることが多いんです。アドベンチャーゲームとしてプレイヤーの心情に寄り添うところがあって。
ただ今回は、物語開始時点の洸から見れば宿敵であり、因縁の相手。
自分が最初に想定していたよりも距離の遠い相手。
なので、今回は、収録時に色々ディレクションして頂いて、西郷の立場を再認識しました。
ただ洸が警戒している時にも、西郷からは不意に隙を見せていい、むしろ可愛らしく見えてもいいんだと思えたり、新たな発見もあって。そこの舵取りをすごく上手にしていただいたなと感じました。
演じるときにこだわった点
洸との関係や他キャラクターとのやり取りの中で、セリフが軽く聞こえないようにしつつ、軽やかに話すようにしました。西郷はただ重たくて固い人間じゃないところを見せたくて。

日常会話でも、軽い人間には聞こえないようにしつつ、軽やかさを持たせるようにしました。軽さじゃなくて軽やかさというか。言葉のリズムや言い回しに変化があったほうが、重たいセリフがより引き立つこともあると思うんです。
特に圧をかけるシーンでは、言葉の温度感を上げるけど、一線を越えると感情を消したり。
例えば僕自身、熊谷健太郎の怒りは足し算なんです。でも西郷の怒りは、案外途中まで足し算で、途中から引き算なんだろうなと感じます。
怒りの感情が強まって一定のところを越えると、ふと冷静になるような。

西郷が声をあげる時の炎が赤いとしたら、一定のピークを越えると炎が青く変わるとか、そう解釈しても面白いのかなと思います。
そういうキャラクターに対する理解は、収録でうまく摺り合わせしていけたと思います。
ご自身の演じたキャラクターの魅力を教えてください。
拓馬は、立ち位置によって見え方が違うところでしょうか。
新徴や神誠のように敵対している側から見ると、いつも桂の横に付き従う、粗野で荒っぽい男、凶暴さが色濃く見えると思うんです。
逆に薩長の立場だと、一緒にやろうぜって交わした約束を護る忠義の男。特に薩摩の覚醒者からすれば、厳しいけれど面倒見のいい優しい兄貴でもある。
忠義を誓った主、家族に対してはどこまでも優しいし、守る。
でも敵とみなせば荒々しい顔を見せるし、圧もかける。そこが西郷拓馬の魅力なのかなと思います。
西郷拓馬という人間を見る位置によって定義も変わってくる。本当に薩摩藩士というか、薩摩犬みたいな純朴な人。
ゲーム内でもプレイヤーが西郷の懐に飛び込むかどうかで大きく変わってくる。その一歩近づいた距離感で、はじめて見える良さが、西郷の一番の魅力なんじゃないかなと思います。
新宿羅生門の魅力を教えてください。
出てくる人物、人物が皆濃ゆいですよね。
メインのキャラクターはもちろん、脇を固めるキャラクターも、任務や戦いに赴く一人一人に、バックボーンや信念がある。己の魂に刻まれた幕末の記憶や因縁を、現代だとこういう解釈や表現もできるんだと気付かされる。
シンプルに男らしいし、世界観がカッコイイですよね。
好きなシーン、印象に残ったシーンを教えてください。
幕末に生きた人物は、僕たちにない信念や価値観をたくさん持っていたと思います。
現代を生きる人間がその記憶に目覚めた時、幕末の逸話や人間性が発露して、そこに人物観がクロスオーバーしていくのはすごく魅力ですし、かっこいいですよね。
西郷も、誰かと一対一になる時、意外な面をたくさん見せてくれる。
あるルートで信頼していた相手との約束が失われて、決定的に道が別れた悲しみを吐露していく……そういうシーンも一対一で向き合うことから始まって、そこに洸が来てくれたことで、濃い関係性の中で芽生えた感情が描かれていく……そういったシーンはとても印象的でした。
あなたの役から見て、沖田洸はどんな人物でしたか?
西郷の目線で見れば「いずれ必ずぶつかる相手」ですよね。
ボクシングやプロレス的な表現ですが、自分の対角にいてしかるべき相手であって、当然出会うべくして出会った相手。
だからこそ期待もするし、がっかりさせてくれんなよと思うんでしょうね。
洸の人物像や立場を考えても薩長とは水と油だし、対角にいるからこそ期待するだろうし、他のどのキャラクターよりも一番対極なんですよ。 
物語冒頭部分で言えば、斬り合うのは必然で戦いが運命づけられた、そういう相手なのだと思います。
前世の記憶、血筋、親譲りの性格を感じることはありますか?
自分でも最近気付いたんですけど、テレビでサッカーやスポーツの試合を見ている時、ブツブツ言っていることがあって。そんな自分を自覚した瞬間に、うわあ、親父と一緒のことしてるなと感じます。
僕も父親もずっとサッカーをやっていたので、実家に住んでる頃もよく一緒にテレビでサッカーを見ていて。その時、プレイについてこうすべきだろうとか、テレビの前で話していたんです。それと同じようなことを今、自分がしていることに気づいて……血は争えないなと思いました。
最後に一言お願いします。
発売前から皆さんは新宿に佇むキャラクターのビジュアルや、情報に触れていると思います。確かにこの作品はすごくハードな世界観ですが、キャラクター同士の掛け合いや、可愛さ、面白さも、随所にちりばめられています。
本当、ボリュームたっぷりですね。プレイすればするほど、いろんな人物のことが好きになっていくと思いますし、逆にプレイすればするほどこいつのことが憎いという感情も抱いていく……そんな熱くかっこよく、どこか生々しい作品なので、是非楽しんでいただければ幸いです。
清河堅児役_野辺健太さん
オファーが来た時の印象はいかがでしたか?
実は今回「新宿羅生門」のオファーを頂いた時、自分がどのキャラクターを演じるのか、まだ、わかっていなかったんです。だからにメインかサブか、一体どの役なんだろう。まさかメインじゃないだろうな思っていました。ただ、そのえ氏のことは、必ずしも有名なキャストを使うタイプではないとも思っていたので、もしかしてメインで、セリフ量がすごく多かったらどうしよう、と思ったりしました。
ですが実際に台本を受け取った時、清河さんだと知って。キャラクターのイラストを拝見して、僕が演じるなら、どういう風にやればいいんだろうと、思いを馳せながら家路に着いたのを覚えています。
このキャラクターへの第一印象はいかがでしたか?
清河はとても優しそうな表情をしていますが、話が進むと怖い表情も見せるのだろうな、と感じました。でも、皆に愛される系のおじさんで、若い人からも愛されるいい上司的な人なのだろうなとも思いました。
実際演じてみていかがでしたか? 考えていた演技の方向性との違いはありましたか?
最初は方向性に間違いがないように、おどけた感じは強く出さなかったんです。
ただ収録現場で、少しお茶目な感じ、飄々とした感じもやってみてほしいということで、徐々に清河のキャラクター性が決まっていきました。
だから僕が、第一印象で感じていた清河さんとは、やはり別の人物になったのだと思います。でも演じるうちに、お茶目なところが僕に合っていてやりやすいと思えたので、すごく有り難かったですね。
演じるときにこだわった点
洸くんとお話する時、ただの上司じゃなくて、親子みたいな関係性の優しさが出たらいいなと思っていました。洸くんは自分が拾った以上、面倒を見なきゃいけない。ただ会社に所属しているからという以上の関係だし、理由ありの覚醒者だし、面倒を見なきゃいけない子! そう思って親心で接しました。
洸くんは実の息子ではないけれど、もし自分が洸くんの父親だったらと想像して、一緒に頑張っていく、寄り添うタイプの父親を意識しました。
あと清河は不器用なところもあるけど、飄々としてあまり表に出さない。なので内面にいろんな含みがあるキャラクターとして演じました。
ご自身の演じたキャラクターの魅力を教えてください。
清河はタバコを吸うキャラクターで、絵的にもいつもタバコを燻らせている。
でもストーリー上で実際に火をつけて、タバコを吸うシーンは、数回しかないんです。 タバコに火をつける時って、何か気持ちの切り替えがあるはずで、そこに清河の人間味があるんですよね。それが魅力のひとつでもあるかなと。
あと、飄々とした感じから急に真剣な眼差しで、低い声で語り始めたりすると、ギャップ萌えがあって。飄々とした振る舞いで相手を油断させつつ、不意に強さを見せるギャップにはやはり魅力を感じます。
あとイケオジで、本当に顔がいいと思います!
新宿羅生門の魅力を教えてください。
登場人物が多いと、話をまとめるのってどうしても難しいですよね。
でも、この作品ではこれだけの人物が登場させながら、一人一人の個性、性格や表情が、台本からしっかり読み取れる。世界観に没入できるというか、ゲームの空気感もしっかり感じられて、世界観が完成された作品だと感じました。ちょっと上から目線になっちゃいますけど。
戦闘は乙女剣武蔵から繋がるゲームシステムで、世界観も一部繋がっていると感じますが、今回は組織によってストーリーが全く違う方向に分岐するので、王道ルート以外の物語も台本を読んで噛み締められるのも魅力ですよね。
好きなシーン、印象に残ったシーンを教えてください。
手紙のシーンです。あの辺は何度かやり直しをさせてもらったこともあって、やはり印象に残っています。清河は洸くんとのやり取りが一番多いキャラだと思うので。
あと、ネタバレになるので多くは言えませんが、世界観の根底にある、闇を感じるシリアスな部分には、ゾッとさせられますし、僕は好きなシーンですね。
あなたの役から見て、沖田洸はどんな人物でしたか?
僕個人の印象としては、息子という感じです。
最初に会った時に、親の心配やお金の工面や、身近な人の身の回りを心配してる子で。
ああ、すごくいい子がいる。この子を自分のところに取り入れたい、個人的にはそう感じていても、そうはいかない事情もあるし、思いもよらぬ方向に展開することもある。
それでも洸くんは友達以上だし、支えてあげたい忠実な部下だし、清河には親心もあって心配している。実際、清河の立場はすごく複雑なんですけど、洸くんには本当、目をかけてると思います。
前世の記憶、血筋、親譲りの性格を感じることはありますか?
手先が器用なところは、父に似たのだと思います。プラモデルを作ったり、絵を描いたり、気付くと自分が自然にやっていることは、父親が得意だったことが多い気がします。
僕の父は自動車の絵が上手くて、僕も小さい頃に頼んで、よく描いてもらっていました。
今は僕も、簡単な絵ならかけるし、見よう見まねで裁縫もできたりします。なのでそういう手先の器用さはやっぱり親ゆずりなのかなと思います。それでも、父ほどは上手くはないですけど。
最後に一言お願いします。
この物語の一番の要は、前世の記憶が蘇る「血伝継承」だと思います。
登場するキャラクターも、前世がわかるように登場することが多いです。
もし気になったら、前世の人物について史実を調べたり、背景を確かめたりしながら、この作品を読み進めると、考察もしやすいと思います。
あと何より皆、格好いいので、推しを見つけてほしいと思います 。朱鷺君や蒼空君もいいですけど……よければ箱推しにて、清河もたくさん推してもらえたら嬉しいです!
芹沢朱鷺役_神家ロワさん
オファーが来た時の印象はいかがでしたか?
「新宿羅生門」は一体どんな作品だろうとずっと楽しみにしていました。
私自身も役者であり、音楽をやっていることもあって今回、芹沢朱鷺のキャラクターデザインや設定を見た時まさに自分がやりたかった強烈なのはこれだ!やり甲斐がありそうだと強く感じました。
このキャラクターへの第一印象はいかがでしたか?
できるだけ存在感のある、変な役に挑戦したいと思っていまして。
その要素を兼ね備えた芹沢朱鷺というキャラクターを見たときは最高だと感じました。
実際演じてみていかがでしたか? 考えていた演技の方向性との違いはありましたか?
私のイメージする朱鷺と、そのさん(音響監督のそのえ氏)のイメージする朱鷺の人物像って絶対に違うんだろうなと思っていました。なので台本は読み込みましたが収録前に役を決め打ちすることはしませんでした。むしろ現場で振り幅を全開にして一緒に作り上げていくのが楽しいだろうと思って。
実際、声の高低もそうだし声質もガラガラさせるのか艶っぽくするのか、芝居も世の中を舐め腐ってる感じか緊張感を出すのか……それらを全て現場のライブ感で決めて最高の形にしたいと思っていました。
演じるときにこだわった点
この世界観あってこその芹沢朱鷺なのだと思います。こういう狂気の潜む作品には必要不可欠な存在。でも、現実に存在したらやばい男。故の緊張感も出せる。
芹沢朱鷺は怒りや憎しみの激しい男ですし生きる上で譲れないこと、自分で決めたルールもたくさんあるはずです。人間誰しも生きていればネガティブにもポジティブになる。
でも現実では世間と折り合いもつけなきゃならない。
なので収録中はあえて「ヤバい男、芹沢朱鷺」のネガティブとポジティブをいかにキープするか、朱鷺と向きあって表現を振りきることが今回一番こだわった点だと思います。
ご自身の演じたキャラクターの魅力を教えてください。
世の中にはいろんな作品があって、いろんな変わったキャラがいますよね。その中でも「新宿羅生門」を色濃く彩る芹沢朱鷺の非現実的な存在感はやはり際立って魅力的でセクシー。且つ一番浮いているキャラクター。
収録の際には他の役者さんのお芝居も聴きながら録音し、芹沢朱鷺のキモさを際立たせるように努めました。
「おい、一人だけおかしいのがいるぞ!?」っていう唯一無二の存在感に自分は一番魅力を感じました。
新宿羅生門の魅力を教えてください。
この作品では、エンディング曲の作曲と歌も担当させて頂きました。
その後、作詞の菜摘さんとそのえさんと俺と三人でミーティングを重ねて世界観の資料や台本も頂いて芹沢朱鷺、沖田、土方がどんな人間かも捉え直して。
そこで朱鷺の演技や声、立ち位置を真剣に考えながら没入して台本を読みましたが、やっぱり世界観が独特だなと感じました。新宿の街はそれこそ、誰もが知っている街。地方の方で東京に来たことない人ですら新宿や歌舞伎町なら何故か知っている。煌びやかだけどこか汚いマッドな街、それが新宿。
その新宿を舞台にした世界観と歴史をMIXして、とても美しくて汚い、きらびやかだけど泥臭い、そんな相反する物同士が混ざり合う世界観こそが本当に新宿らしさでもあるし「新宿羅生門」の魅力なんじゃないかなと思います。高層のエリアには富裕層や成功者が住んでるけど、地上には登って行く者、落ちぶれた者色んな人達がいる。
朱鷺もそうだけど他の人間も皆一寸先は闇。そんな人が墜ちていく様もこの作品の見所なんだと思います。
好きなシーン、印象に残ったシーンを教えてください。
ネタバレを避ける言い方をしますが朱鷺は途中でちょっと変わるシーンがあるんです。その豹変したところも面白くて凄くかっこいいシーンでした。
朱鷺のセリフはどれをとってもすごく人間臭いし、どんなに変わっても味があって。その表現がむしろいいなと思いました。
あとは、これは自分がエンディング曲を担当していたから感じるのかもしれませんが、自分の曲が流れるであろうシーンを演じてた時に「ああ、、、こう繋がるんだ」と知って思わずグッと来ました。
ちょっとずるいかもしれないけど他の声優さんと違って先に音楽を作ってるから、演じながら頭の中に音楽が流れてくるんです。収録の時には、思わず何度も泣きそうなりました。
でも、泣いたら副鼻腔が腫れるし次のシーンにも影響が出るかもしれない。もし声に影響が出たら困るなと、理解はしているんですがそれでも心がかき乱されるシーンがやはり自分の中で良かったシーンなのだと思います。
あなたの役から見て、沖田洸はどんな人物でしたか?
洸はルートによって本当に変わりますよね。
だから洸は愚直な子なんだろうなと。
それで周りに人が集まってきていろんな人に助けられたり、憎まれたりもする。
でも男というのは皆どこか愚直なところがあると私は思っていて。
愚直になるのはプライドだったり、仕事だったり、お金や女や夢、人によっていろいろあると思うけど、洸の場合は運命に愚直なのかもしれない。
洸はその愚直さを体現する人物なんだろうなと思います。
前世の記憶、血筋、親譲りの性格を感じることはありますか?
私は配信や音楽をやっているんですが、お祖父ちゃんも父親もミュージシャンなんです。父親が叩いてたドラムを形見として持っているんですが、ある夜に見た夢の中で私がそのドラムを叩いていると横に父親がいるんです。
次の日、仕事でドラムのレコーディングがあったんですけど、その最中父親の存在を感じると言うか、父親がそこに立ってる様な感じがあって。父親のドラムに影響を受けているせいか、まさにそこに居たように感じるという事がありました。
ウチの家の音楽の血や、それにまつわる記憶はあるのかもしれません。
最後に一言お願いします。
「新宿羅生門」は本当に独特な世界観を持つ作品だと思います。
その中で自分は特に色の濃いキャラを演じさせていただきました。
世の中には映画や小説やゲーム、アニメ、色々な作品がありますけど、また一つ変な匂いのする独特な一品が仕上がったのではないかと思います。
あと自分で台本を実際に読んで音楽にも触れてみて思ったのが飽きないということ。
正直、自分は本を読んでると飽きるんですよ。自分の作った曲にも飽きることがあるし。
でも、これは本当に飽きないと思う。魅力的なキャラクターがいろんな角度からいろんな表情を見せてくれる。
一度ゲームを始めたら皆さんもこの「新宿羅生門」の世界に引きずり込まれると思うので、もう隅から隅まで重箱をつつくように味わっていただけたらなと思います。
最後までプレイして全ての分岐エンディングまでさらって、ほじくってください。きっと独特でかけがえのない素敵なものを発見できると思います。
勝聖舟役_大塚剛央さん
オファーが来た時の印象はいかがでしたか?
羅生門という言葉には、自分はダークなイメージを抱きます。
新宿もカオスな街。
なので「新宿羅生門」というタイトルからは、現代のカオスが込められたダークファンタジー作品なのかなと想像していました。
オーディションの段階で頂いた資料だけだと詳しい内容がわからなかったので、調べてみると、既にもうタイトルとして発表されている。それを見て自分が最初に抱いてたダークな雰囲気と、資料から得た情報をもとに思い描いた作品の空気感が、セリフの中で表現できたらいいなと思っていました。
このキャラクターへの第一印象はいかがでしたか?
台本を見た時の聖舟の第一印象は、芯の強い人。
良くも悪くもぶれないというか。それが人を惹きつける魅力でもあり、逆に嫌われる要素にもなり得る。勝聖舟は敵を作る生き方をする人だなと感じました。本当に確固たる自分を持っていて。
前世の記憶を持った勝聖舟という人物の演じ方には、色々な可能性があると同時にかなり難しい印象を受けました。
実際演じてみていかがでしたか? 考えていた演技の方向性との違いはありましたか?
自分の中で考えていた方向性は、間違っていなかったと思います。
収録では思っていたよりずっと深く作品の世界に入り込めたし、いい結果が出せたと思います。
ネタバレになるので、あまり具体的には触れませんが、彼の存在感や行動が徐々に変わっていく、グラデーションの表現もできたと思います。
今は収録も全て終えたので、彼が何を想い、動いていたのかは身をもって理解しているのですが、そこが徐々に詳らかになっていく課程は、やはり大切に演じました。
演じるときにこだわった点
聖舟なりの呼吸、でしょうか。
最初のディレクションで、セリフのスピード感をもう少し上げて欲しいと伝えていただいて。確かにテンポの悪さは避けたいし、でも彼の芯のブレないところも考えると、やりすぎると表現がブレてしまう。そこは自分なりにバランスをとりました。
語尾の抜き方もシーンによって違いますが、基本的にパキパキと言い渡して、相手に有無を言わせない、余裕はあるけど隙のない感じにしています。
聖舟らしく即断即決しながらも、相手が思わず口をつぐんでしまうような威圧感、圧を出せるよう演じました。
ご自身の演じたキャラクターの魅力を教えてください。
最後までゲームをプレイしていただくと、聖舟の魅力が伝わると思うんですけど、ここでネタバレにならない範囲だと……短髪というのがいいですよね。個人的にとても好きなスタイルだなと思います。
あと、彼は冷静で、決して前線で切り込んでいくようなタイプではないんですよね。
人はそういうリーダーについて行きたがるけど、でも、彼は違う。
もちろん腕は立つし、司令としても賢明だし、立ち回りがうまくて地頭がいい。でもそういう部分が敵を作ってしまう。
その時、人はきっと彼に嫉妬してしまうんでしょうね。そういう完璧さも魅力の一つだと思います。コンプレックスをくすぐられる人っていうのがまさに彼なのだと思います。
新宿羅生門の魅力を教えてください。
実際にプレイしてみたいなというのが正直なところです。僕の好きなジャンルのお話ですし、物語をゲームとして楽しんで、またそこから新しい魅力の発見がありそうなので。
収録中もお話しましたけど、ダークファンタジーとしていいなと思いますし、心の中にずっとくすぶるような不安、恐怖、怪しさが常に身近にあって、僕も個人的にすごく好きなところです。 スーツと刀で決めた登場人物も多彩ですし、いろいろな癖が詰まってるのではないかと思います。
好きなシーン、印象に残ったシーンを教えてください。
ネタバレになるので、かなりぼかしますが、洸が戒援隊に来て、一緒にやっていく中で、零がああなってしまって……徐々に日常に違和感が生じて、何かがおかしい。でも蓋を開けたら……というシーンですね。ネタバレになるのでここでは伏せますが、あの展開が、やはり自分は好きですね。
あなたの役から見て、沖田洸はどんな人物でしたか?
まだ未熟でありながら、どこか人に期待させてしまうような、そんな不思議なものを持っている人だと思います。聖舟もきっと同じように感じていて、洸を自分のところに引き入れたがっているはずで。
もちろん洸に対して思うところはあっても、期待感のある、まさに主人公気質で、目をかけておきたい相手というか……だた勝聖舟を挟むと複雑になるので、今はここで止めておきます。
前世の記憶、血筋、親譲りの性格を感じることはありますか?
前世の記憶はないですね。
でも、親の影響はかなり受けていると思います。
僕の家は両親ともにお酒が好きで、本当に毎日晩酌してるような家だったのですが、 僕自身もそのおかげか、お酒は割と飲める方だと思います。
あと、家族によく言われていたのですが、祖父にご飯の食べ方がすごく似ているそうで……母方の祖父で、今は亡くなってるのですが、僕はお祖父ちゃん大好きだったんです。それはすごく嬉しかったかな。
たとえば僕は子供の頃、卵豆腐をぐちゃぐちゃにして、ご飯にかけて混ぜて食べるのが大好きで、おじいちゃんもそういう食べ方をしていたそうです。
あまり自分の記憶にはないのですが、自然とそうしているのは不思議ですよね。
やはりそういう所に、血筋の影響はあるのかもしれません。
最後に一言お願いします。
歴史が大好きな人なら、途中からこの人が出るのではないかとか、こんな裏事情がありそうだとか、展開の予想が歴史考証から紐解かれることもあると思います。
戦闘要素もあるようですが、アドベンチャーとしての物語を純粋に楽しんでいただきたい作品でもあるので、気になる方は是非、お手に取ってこの作品をプレイしていただけたら嬉しいなと思います。
高杉深夜役_山谷祥生さん
オファーが来た時の印象はいかがでしたか?
この作品のオーディションの際、最初に資料を拝見したのですが、自分には難しい、違うだろうなと思うキャラクターが何人かいました。
でもそれらの役を含め、何人かのキャラクターを録らせて頂いたんですが……
しばらくしてオーディションの結果を頂いた時、高杉深夜に決まったと聞いて、やはりそうかと納得しました。自分にとっては高杉が一番演じやすくて、自分の内面に通じる部分が多いキャラクターだったので、一番、決まる可能性が高いと思っていました。
それが結果に反映されてよかったなと思います。
このキャラクターへの第一印象はいかがでしたか?
高杉はとても猫背ですよね。
猫背なのに、前世に高杉晋作という立派な人物を背負っている。キャラクターの絵を見た段階では、内面まではわからなかったので、もしかしたら一転すると狂気的なキャラなのかもしれないと予想したりしました。
それこそ姿勢の悪い岡田零くんみたいな戦闘狂なのかなとか、高笑いしながら人を斬ったりするのかとか、勝手に考えていたんですが……全然違いました。
今回、周囲はみんな幕末の志士で、気も強いし、武力も高い。
でも高杉は現代っ子で、文明とか現代のハッカーという武力とはまた違う情報力という武器がある。 そういう能力を駆使して戦うキャラなんだなと理解してから、改めてお芝居の方向を組み立てていきました。
実際演じてみていかがでしたか? 考えていた演技の方向性との違いはありましたか?
実際演じてみて、今まで関わらせていただいた現場と比べても、良い意味で気持ち的に楽な現場だなぁと思いました。「こんなこと聞いていいのかな?」と思うことでも、相談しやすくて。
もちろん自分で演じたい方向性もあったんですが、現場で質問できたのは良かったです。このシーンはどれぐらいの加減でやろうとか、元の深夜から高杉晋作の過去の記憶に覚醒していくうちに変化する段階の表現もわかりやすくて。
都度相談しながら、ディスカッションしながら調整できたのもありがたいし、やりやすかったです。それでも初手は自分のイメージで演じるんですが、現場で軌道修正して、肉付けをしたり逆にそぎ落としたりが自由にできたと思います。
だから、今日この場で、高杉深夜を産んでもらったかなっていう実感がありました。
演じるときにこだわった点
覚醒して成長するところでしょうか。いろいろディスカッションしましたが、高杉深夜は常に変化していくし、いろんな経験や出会いを経て成長していくので。
最初の深夜は見た目通り根暗で、人と関わらず消極的でコミュニケーションが苦手で、ボソボソ喋るし、相手の目を見ないキャラクター。
でも洸と出会って覚醒していくにつれて、社交性が上がるし、自分に自信もついていく。
現代の深夜と幕末の高杉晋作がミックスして、ハイブリッドな深夜になっていく変化は見どころなので、やっぱりこだわりました。
明確に晋作としての回想シーンもありましたし、その後、あるシーンで覚醒して周りの荒くれ者を鶴の一声で制する場面もあって。振り幅が大きいシーンでの違いは、しっかり出したいなと思っていました。
ご自身の演じたキャラクターの魅力を教えてください。
さっきもお話させてもらったんですが、僕自身はすごくやりやすい役だなと思いました。僕からすると親近感も抱けて、自分と重なる部分が多い役でした。
魅力で言うなら、周りのキャラクターは皆、刀で語るし、強く押し通す感じですよね。
深夜はコミュニケーションは苦手だけど、天才ハッカーで、その部分だけは誰にも負けない。現代の情報戦や、技術に強いというのは彼の特筆すべき才能ですし、魅力のひとつだと思います。
新宿羅生門の魅力を教えてください。
会話での心情の表現って、ともするとチープで軽くなることもあって、難しいですよね。
でもこの作品の会話は、上っ面でなく、しっかり重い。
命を取り扱う会話をいろんなシーンで繰り広げてましたけど、その一つ一つが自分の中にスッと入ってくる感覚があって。
彼らがこの先どういう結末と未来を迎えるのかが、とても気になる作品だったので、僕はシナリオというか、お話がすごく魅力的だと思いました。
役者的にも今回、台本の量はとても多かったんです。でも、全然読むのが大変じゃない、読み進めていくのが本当に楽しかった。
先に舞台も拝見していたので、舞台のあのシーン、ここのことか!という発見ができたのも僕は結構楽しかった。そのとき、目で見て耳で聞いたシーンは、特にイメージがしやすいと感じました。
あとは舞台ではわからなかったバックボーンや、仕方ないことだと思うんですけど、時間内で掘り下げきれなかったことが、台本を読ませていただいて理解、咀嚼できたし、自分の中に落とし込めた。舞台の演出が派手で印象的だったのは土御門が現れた場所で、彼は謎めいた存在だったんですが、今回はその立場も腑に落ちて納得できたのも個人的には良かったところです。
好きなシーン、印象に残ったシーンを教えてください。
くり返しになりますが、覚醒後の明確な変化はやはり大きくて、自分の中ではそこだと思います。それまでは普通に話すことすら苦手で、ボソボソ喋っていた人間が、言霊で周りを納得させるシーンには胸を打たれたし、あのシーンはすごく印象に残ってます。
あなたの役から見て、沖田洸はどんな人物でしたか?
洸は成長著しいなと感じました。
最初はいじめられっ子で、数の暴力や状況に屈して逆らえなかった彼が、幕末の沖田林太郎の記憶、経験や力を呼び覚まされて覚醒した。
たとえ武力という裏付けもあったとしても、当時普通の高校三年生だった彼が、最終的にはストーリーが進むにつれて、自分よりも年上の大勢に大きな影響を及ぼして行く。
深夜のセリフにもありますけど、話すと元気になれたりとか、辛い時も洸を見てると、話すと明るくなれる。
洸は一見、無鉄砲に見えるけど、後先考えずに人を助けていて。その姿勢に動かされて、周りがひとつになっていくし、その先の可能性を信じられる。
覚醒者がいがみ合う新宿の街で、彼がキーマンになって影響を与えていくのはすごいし、カリスマ性があって魅力的だなと思いました。
前世の記憶、血筋、親譲りの性格を感じることはありますか?
僕が生まれた時には、お祖父ちゃんお祖母ちゃんは、二人ともこの世に居なくて。
だから実際に見たわけではないんですけど 母親曰く、僕は母方のお祖父ちゃんに似ているそうです。お酒の好きなところとか。
あと僕は三人兄弟の末っ子で、上二人の姉兄は圧倒的に母親似なんですが、僕は唯一、父親似だった。で、父親が実家に住んでた時に、家族みんなが嫌ってた父親の行動がいくつかあって。たとえば家で食事する時、空いたお皿から片付けちゃうとか……それを僕も当時は嫌だ嫌だと親父に言ってたんですけど、気づいたら僕も、全く同じことをしていることに気付いて。
無意識にやっていたことを、友達に指摘されて、ハッとしました。
そういうところには、やはり血を感じますね。
最後に一言お願いします。
登場キャラクターの一人一人がとても魅力的で、シナリオの中で奥行きも描かれていて、バックボーンがしっかりしているので、感情移入もしやすいと思います。
推しがきっと見つけられるし、魅力的なキャラが集まっているので、皆が誰に心惹かれて誰の幸せを一番に願うのかなっていうのは台本を読んだ側として、演じた側としてとても気になります。
僕はまだ推しは決まってなくて、この子が一番好きになりましたというのは、まだ言えないんです。でも、皆とても魅力的だったので、誰かを好きになって一番が決まったら、その理由は何か、機会があれば是非聞いてみたいなと思います。

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