記憶を失い、罪を犯した者＝流人として島に流された少年。
礼儀正しく、人の痛みを理解できる優しい性格で周囲に好かれ、流人となったのは何かの間違いではと、みな首を傾げる。
時おり頭の中で、自分を呼ぶ声が聞こえることがあり、失われた記憶と何か関係があるのか、気になっている。

島の神社で宮司を補佐する禰宜（ねぎ）という役職で働く。
修行中のためほとんどの時間を神社で過ごしており、俗世にやや疎い部分もあるが、根はしっかり者。
物事を論理的に考え責任感が強く、不正には毅然とした態度で臨む。
一方で困った人は放っておけない人情家の面もあり、一時は流人と警戒したミナトを受け入れ、神社での住み込み仕事を世話する。

島の漁師の息子。
人を正しく見る目を持っており、流人で記憶も失っているミナトのことを悪い奴ではないと見抜いて真っ先に友達になる。
ミナトの武術の素質にも気づき、いつかは島を出て水軍で身を立てたいという野望から、自身でつくった水軍にミナトを誘う。
レイジがいる神社に住み込みで働けるよう掛け合う等、天性の世話焼きで兄貴肌でもある。
嘉隆に槍術の才能を見いだされ、修行を受けることになる。

医者の息子で頭の回転が速く、航海術の才能がある。
持ち前の素直さから、学びにも真摯で吸収が早いが、天才で天然ゆえか、周りを振り回してしまうこともある弟系。
島育ちの割に体力が無く、周囲の子どもよりも力で劣ることから、やや自信無さげに話す。
その一方、好奇心は旺盛で、気になることは何でも試してみたい性格でもある。

大局を見て動き、物事に縛られない自由な性格で、天性の頭領気質。
義侠心の厚い侠客として各地で名を馳せていたが、本土で日が昇らなくなったため、流人の島にやってきた。
ミナトのことを知っているようだが、ミナトは覚えていない。
嘉隆や武吉といった大人たちに対しても、率直にものを言うことができる頼れる存在でもある。
実は島の仲間に明かしていない秘密が……

神楽の一種であり魔を斬るという「太刀舞」の名手であり、ミナトの兄。
思いやりがあり、あたたかな性格で言葉遣いも丁寧。
信心深く、天照大御神（あまてらすおおみかみ）の神託に快く応じて依代となる。
責任感の強さが仇となって無理をしてしまうこともあり、周囲から心配されることも。
弟を大事に思っている仲の良い兄弟だったが、今は離れ離れとなっている。
その消息をつかむ鍵は、失われたミナトの記憶にあるようだが……

村上水軍の若き頭領。
良くも悪くも英雄らしさが際立つ性格で、力強く頼れる半面、独善的で人の言うことを聞かない。
それでも挙げる成果が周囲を黙らせていた。
信長軍とはこれまで幾度も刃を交え戦果をあげてきたが、直近の海戦では見違えるような強さの信長軍に手痛い敗戦を喫し、しばらくは戦力補強に努めていた。
本能寺の変以降、海の覇権を取るべく改めて意気込んでいる。

本土から罪人として島に流されてきた流人だが、元は信長軍の将。
常に冷静でつかみどころがなく、多くを語らない謎めいた人物。
一緒にいると背筋が伸びるような凛とした空気をまとっている。
他者とは一線を引くかのように、集落から離れたところで従者らしき人々とひっそり暮らしているが、印岐神社へは毎朝欠かさず参拝に訪れる。

圧倒的存在感で威圧する王として、人々から恐れられる。
本来は部下や民を思う正義感の強い人間だったが、多くの英断を迫られる宿命が彼を冷酷な存在にしていった。
第一次木津川口の戦いで致命的な大敗を喫したが、以降の戦いでは見違えるような強さで他勢力を圧倒するようになる。
その後、本能寺の変で討ち死にしたと言われていたが……

月読命を司る社の神官の出自だが、素行不良で放逐され、以降は武士として生計を立てていた。
病で倒れた後の彼のことを知る者はいなかったが、ある時から織田信長の側近として仕え、暗躍を始める。

伊邪那岐の左目から生まれた太陽を司る神。月読命とは双子。
優しい性格で、与えられた使命がゆえに双子の月読命と会うことが出来ないことを辛く思っている。
月読命の異変を感じ、弟の須佐之男命とともに、神の巫子を依代とし現世で月読命を探す旅をしていたが……

伊邪那岐の右目から生まれた夜を司る神。
同時に黄泉の国も司っている。天照大御神とは双子。
おおらかな天照大御神に対し、やや神経質。
長い乱世で人の死が日常化し、黄泉が死者で溢れかえってしまう事を憂いていた。
天魔に促されるまま織田信長に手を貸し、一刻も早く乱世に終止符を打とうとしたが、消息が分からなくなってしまった。

伊邪那岐の鼻から生まれた海を司る武神。
双子である天照大御神、月読命の弟でもある。
情け深い性格だがその反面で情に流され易くもあり、思い通りにならない時には力づくで解決しようとする短絡的なところもある。
天照大御神とともに、神の巫子を依代とし現世で月読命の力を辿る旅をしていたが……