土方玲雄
冗談じゃない! とっとと帰れ、素人の凡人が! 誰がお前なんかとステージで歌うか!!
沖田洸
そんなに怒らなくても。今日来たばかりなのに……
玲雄さんは苦手だ。前世での仲はさほど悪くはなかったはずだが、これが年齢の逆転というものか。
土方玲雄
本当に居座るつもりなら、ここでオーディションを受けろ!
土方玲雄
歌もダンスもパフォーマンスも出来ない男が芸能プロに所属? ブラッディーオーガズムの一員? 身の程を知れ!!
沖田洸
いや、本当に。どうしてこうなったんでしょう……?
沖田洸
正直、オレもマネージャーのほうが良かったんですが。蒼空のことも見守れるし。
土方玲雄
は!? マネージャーを舐めるな! お前に優秀なマネジメントができるとでも!?
沖田洸
うっ、それは……
土方玲雄
今のお前では、斬られ役ですら務まらん。使い途があるとしたら、会場警備員か。
沖田洸
一応、必死で考えてはくれるんですね。
土方玲雄
ああ。本当は嫌だが、朱鷺はそのつもりで連れて来たからな。仕方なくだ。
そこに軽い足取りで蒼空が飛び出してきた。見るからに軽い、プロのステップだ。
沖田蒼空
じゃあさ、まずは実技をやってもらおうよ?
土方玲雄
そうだな。ではそこでダンスを披露しろ。何か見せられるダンスはないのか。
沖田洸
えっ? ダンスですか。実家にある桐ダンスくらいはお見せできますが……
土方玲雄
馬鹿者! それじゃダメに決まってるだろうが! くだらんモノを見せたら斬る。
沖田洸
それは……
土方玲雄
ダンスなら何でもいい。さあ、即行でやってみろ!
土方玲雄
ロックダンス!
土方玲雄
ブレイキンダンス!
土方玲雄
ヒップホップ!
土方玲雄
チャチャチャでもいい……!
土方玲雄
だからと言って、チャチャッと出来ると思ったら大間違いだがな!!
沖田洸
いや、全然思ってませんが。玲雄さんこんなキャラでしたっけ? すごくやりづらい……
沖田蒼空
れおくんは大真面目だよ。むしろ、やるからにはハンパは許さないんだ。
沖田蒼空
百五十年前のオーディションも、このくらいの熱意があったんだから!
土方玲雄
どうした? とっとと、お前のダンスを見せてみろ?